アウトプレート工法のQ&A集。

Q&A

アウトプレート工法(以下OP工法という)に関するさまざまな質問にお答えします。また、ご質問、ご意見等は事務局までお問い合わせ下さい。

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アウトプレートは通常荷重が面外から載荷される位置(主桁下面等)に配置しますが、荷重が面内から載荷
される位置(主桁側面等)に配置した例はありますか。また、配置可能ですか。
橋梁上部工で、プレートに対して面内方向から荷重が作用する位置に配置した例はありません。プレートの面内方向に変位が発生し、それに対して、プレート自体および定着具界面の挙動および耐久性に対して保証できる確認実験を行っていません。発生するひずみ量の大小にかかわらず、確認を行っていない使用状態に対して保証はできません。このような必要性が発生した場合、固定プレートの形状変更等で対応可能と判断しています。
アウトプレート工法の適用できる最大長は、実績および可能性を含めて何mですか。
アウトプレートの長さとして、実績で40m弱です。アウトプレートは、定着具を取り付けた状態で、出荷前に工場で確認緊張を行います。この緊張設備の確認限度長が40mであり、工場設備上これ以上延長できません。また、このケースは外ケーブルとの併用であり、アウトプレート工法単独で計画した場合、経済的に外ケーブル工法が安価となる場合も考えられます。
アウトプレート工法の適用できる最短長は、実績および可能性を含めて何mですか。
アウトプレートの長さとして、実績で5m弱です。アウトプレートの長さは、アウトプレートの配置間隔とプレストレス力の有効範囲および構造細目を検討の上、決定する必要があります。
アウトプレート工法は、現在2層配置までですが、何層までの配置が可能ですか。
確認試験は2層までしか行っていません。構造細目上短いスパンには適用できません。また、外ケーブル工法との経済比較上競合範囲になると思われます。2層以上の配置が必要となった場合、研究会までお問い合わせ願います。
アウトプレートは桁全長に渡って設置するのが一般的と思いますが、ケーブル損傷部のみに局部的に設置す
ることは可能ですか。
アウトプレートを局部的に設置する場合は、有効なケーブル区間の特定やプレストレスの分布区間の確認を行ない、必要な補強プレストレスが所定の場所に導入されているかを検討する必要があります。また、ポストテンションT桁橋などの数本の主桁がある構造で、損傷を起こした主桁のみにアウトプレートを配置する場合は、導入プレストレス力が他の主桁に分散する影響を検討する必要があります。
ポストテンションT桁橋の場合下フランジ下面にプレートを設置するのが、一般的と思いますが、その他の
方法があるのですか。
「計画」Q6に示したように、プレート本体はフランジ下面に設置します。アンカー孔を削孔できない場合、アンカー孔を下フランジ底面に削穴せず下フランジ側面もしくはウエブまで固定プレートを立ち上げた実施例があります。
キャンバーのある桁にアウトプレート工法を適用しても問題ないでしょうか
一般的なキャンバーに対しては、中間定着体で対応可能です。通常、定着具から1番目以外の中間定着体には引抜き力は作用しませんが、キャンバーがある場合、中間定着体間で「緊張力の分力」分の引抜き力が作用します。これに対応できるアンカーが必要になります。基準間隔(3m程度)より狭くする必要があるかもしれません。アウトプレートの偏向角度は、実験では2.5度まで安全性を確認していますが、通常は1.0度程度で偏向を行っています。大きなキャンバーが付いている場合は、研究会までお問い合わせ願います。
アウトプレート工法の一部を、先に配置した炭素繊維シート表面上に設置することは可能ですか。
固定プレート設置部は、大きなせん断力が働くので、炭素繊維シートの層間剥離や接着界面剥離を防ぐために炭素繊維シートを剥がしてコンクリートを露出させ,接着剤で不陸調整を行い固定プレートを設置します。また、中間定着部および炭素繊維シート設置部に関しては、既設の炭素繊維シートの仕上げ塗装を剥がして炭素繊維シートの表面を出して炭素繊維シート含浸接着剤(エポキシ樹脂)の表面の目荒らしを行ないます。ここで、既設の炭素繊維シートの樹脂がエポキシ樹脂場合は上記対応が可能となるが、MMA樹脂などエポキシ樹脂以外のものが使用されている場合は、アウトプレート接着用のエポキシ樹脂との接着性を確認して,場合によっては接着用のプライマーや遮蔽材が必要になることがあるので、既設の炭素繊維シートの仕様を確認する必要があります。
T桁橋に大幅な撥(バチ)型拡幅があり、その拡幅部の桁(枝桁)に発生する応力緩和として、アウトプレー
ト工法の採用は可能ですか。
基本的に可能です。枝桁の形状(幅および長さ)と必要なプレストレス量の検討が必要です。このような構造では、導入プレストレスによる二次力が複雑に発生し、これに対する検討も必要です。
補強対象としている橋梁のコンクリート強度が18N/mm

と想定されています。このような低強度コンクリー
トにアウトプレート工法を採用した場合,定着部の安全性に特に問題はないのでしょうか?
固定プレートのアンカー前面と背面に発生する、圧縮応力と引張応力を確認するためのFEM解析による検討などが必要です。許容値を満足しない場合、固定プレートを大きくして、アンカーを増やすことにより応力緩和が可能です。
外ケーブルは大容量のPC鋼材(緊張力)を使用しますが、アウトプレート工法ではどの程度の緊張材を使
用するのでしょうか。
アウトプレート工法で使用する緊張材は240kN型(有効緊張力144KN/本)か、360kN型(有効緊張力216KN/本)の小容量炭素繊維プレート緊張材を使用するので、支間12m〜50m程度の橋梁に適しています。
アウトプレートの線膨張係数は、どの程度ですか。
アウトプレート工法の緊張材に用いる炭素繊維プレートの線膨張係数の設計用値は、『土木学会、コンクリートライブラリー88 連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物の設計・施工指針(案)、H8.9 』に示されるように0×10−6/℃ です。
連続桁において、中間支点上の設計荷重による負の曲げモーメントはなぜ低減できるのですか。
主桁下縁にアウトプレートを設置することにより、径間部に負の曲げモーメントが発生します。不静定構造なので、この静定モーメントにより二次モーメントが発生し、中間支点上は、正の曲げモーメントが付加されます。これによって上縁の負応力が緩和されます。
T桁など格子状に形成された橋梁に対して、最も危険な主桁を対象として補強設計を行い、アウトプレート
の必要本数を決定した場合、この本数を全主桁に設置する必要があるのですか。
一般的には、全桁に配置します。新設の設計と同じ考え方です。ただ、新設の場合と同様、配置本数を減少させたり、補強の必要のない桁には配置しないという設計思想もあります。この場合、すでに構造系が完成した状態で補強プレストレスを導入するため、導入したプレストレスの分散(二次応力)を計算し、設計に加味する必要があります。
プレテンション桁で、桁間目地部にアンカーを配置する場合、コーン破壊の検討が必要でしょうか。
固定アンカーには,引張力は発生するのですがそのオーダーは小さく、せん断力が支配的になりますので、特にコーン破壊の検討は行っていません。以前の施工で、プレテンションI桁の間詰めの場合は問題なかったのですが、旧建設省ホロータイプの間詰めの場合は、念のためアンカーの頭にナット等をつけて対応しています。

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